EテレのハートネットTVで「点字」がとりあげられているのを見て、以前から気になっていたことを思い出しました。点字データのファイルフォーマットに関してです。
※ちょっと込み入った内容なので、ご興味がない方は飛ばして下さい。(^_^;
以前から点字に興味があり、通信教育で点字を学んだことがあります。
こちらの通信教育で、
日本語点字通信教育【基礎編】
日本語点字通信教育【応用編】
を学びました。丁寧に指導してくださり、とても感謝しています。
この時に思ったのは、点字の作成はとにかく人による作業がとても多いということです。点字データの作成作業はもちろんですが、その後の作成データの誤りチェックがもっと大変です。
点字データの作成は(手動でも可能ですが)コンピュータ上で行うことが多いと思います。通信教育を受講しているときは、テクノツールの「点字編集システム」を使用していました。このソフトウェアはいわゆる点字専用のデータ作成ソフトで、画面のGUI上で点字を入力すると、そのデータを点字専用フォーマット形式でファイルに保存してくれるものです。
コンピュータで点字を作成できるとはいえ、編集画面上で点字データを作成するのも結構大変です(手動作成はもっと大変)。人の力で1文字ずつ入力していくという作業があまりに前世代的で、途中でめげそうになります。一般に市販のソフトウェアはソフト上で全ての作業が完結するようにデザインされているため、想定外の使い方はできないようになっています。
ただ最近インターネットで色々調べてみると、自動翻訳技術の進化により、文章のテキストデータを直接、点字データに変換できるようになってきているようです。(※ただし、変換が正しく行われているかの人による目視チェックは必須です)
そういう時代になると、文章から点字への変換は自動翻訳プログラムに任せて、その後のチェック作業に人の力を使った方が効率的ではないか、と思ってしまいます。効率的にデータを作成できれば、たくさんの点字データが作成できますしね。
私はソフトウェアエンジニアなので、点字データの作成そのものより、どちらかというと点字データを効率的に作る仕組みを考えることの方に興味があって、
- 文章を点字に変換(点字自動翻訳を使用)して一時ファイルに保存。目視で変換結果をチェック
- (上記を繰り返す)
- 複数の一時ファイルを集めて、点字フォーマットのファイルに保存
で良いのではないかと思うわけです。(現在は1~3までをひとつのソフトウェアで行っている)
「文章を点字に変換」は、大学等の学術機関も研究しているので、精度はだんだん上がってくることが予想されます。そうすると、あとは「点字フォーマットのファイルに保存」のところだけなのですが、この点字フォーマットの仕様書が見当たらないんですよね・・・。
点字ファイルのフォーマットで有名なのは、BES形式(後に発展してBSE形式)と呼ばれるもので、元はIBMが作成したものだと思います。このフォーマットの仕様書がインターネット上のどこにも見つかりません。自分でBES形式のファイルの中身を解析しようかと思ったのですが、やっぱりやめました。(違法ですし)
たぶん著作権の絡みがあって、仕様書はライセンスを受けた企業にしか提供されないとか、そういうことなんでしょうね。(市販のソフトウェアにはBES形式で保存する機能がちゃんとあるので、あるところにはちゃんとあるようです)
それと関係あるかはわかりませんが、点字の作成に関するインターネット上のページが最近どんどん減ってきているのを感じていて、これって熱意があっても報われないからなのかな、と思ったりしました。仕様書を無料で公開してくれれば、ちょっと試してみようと思う人(私も含め)がもっと現れると思うんですけどね・・・。
以下、点字を勉強したいと思っている人向けへのおすすめの本です。(私が持っている本です)
ここからはじめる点字・点訳のきほん
読みやすく良い本です。定価は2420円ですが、もう在庫がないためか価格が高騰しています・・・。
ナツメ社のホームページ
点字表記辞典第7版
点字表記辞典第7版 [ 『点字表記辞典第7版』編集委員会 ]
いわゆる点字用の辞書です。「分かち書き」(点字にすること)をするときにどのように書いたらいいかわからなくなった時に見る本です。学習したての時は不要ですが、ある程度慣れてきたら持っておくと便利です。何年かに一度改訂されます。