所沢ミューズで神尾真由子さんとミロスラフ・クルティシェフさんのリサイタルを聴いてきました。
神尾真由子さんのリサイタルを見るのは今回で3回目なのですが、前回から約15年ぶりです。一番最初に見たのは「チャイコフスキー国際コンクール優勝記念 凱旋公演(サントリーホール)」でした。そこで聞いたのが、チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35」で、この曲は庄司紗矢香さんのリサイタルの記事でも紹介しました。
私の頭の中では、このレパートリーと神尾真由子さんがワンセットで記憶されてしまっています・・・。
さてリサイタルの方ですが、過去2回はかなり遠い席からの鑑賞でしたが、この日はステージの近くで鑑賞することができました。
神尾真由子[ヴァイオリン]ミロスラフ・クルティシェフ[ピアノ]
2023/9/24(日)開演:13:15 終演:14:00 終演:16:00
所沢市民文化センター ミューズ アークホール
神尾真由子[ヴァイオリン]
ミロスラフ・クルティシェフ[ピアノ]
1. ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 作品 30-2
2. ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 作品 30-3
(休憩20分)
3. ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品 47 《クロイツェル》
encore
1. エルガー:愛の挨拶
encore2
2. バッツィーニ:妖精の踊り
今回はベートーヴェンのプログラムなのですが、私はクラシックファンというわけでもないので、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは当然のごとく初聴きでした。曲の聴きどころもよくわからないまま聴いていたのですが、全体的にどの曲も飽きることなく聴きつづけられるものの、どことなく物足りない感じ、スカッとしない感じ、という印象でした。会場で配布されるパンフレットに「第9番は全10曲のうち最も充実した作品」と書いてあるのをリサイタル開始前に読んでいたこともあって、7番/8番と比べると9番はちょっと派手でメリハリがあるなぁ、ぐらいは感じました。とはいえ9番もそれほど派手でもないよなぁ、などと思ったりもして。
このモヤモヤ感がちょっと気になったので、家でもう一度同じ曲を聴き直してみました。残念ながら神尾真由子さんのCDは出ていないので、信頼のおけるお二人(^^)のCDで。
諏訪内晶子 ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第7番・第9番《クロイツェル》
庄司紗矢香 ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番&8番
会場で一度聴いたことがある、というのが大きいのかもしれませんが、2回目に聴くとこれが意外にいいのですよ。会場で聴いたときのあのモヤモヤ感はいったい何だったんでしょう。リサイタルを聴く前には一度曲を聴いておいた方が良いですね。
曲の印象はさておき神尾真由子さんの演奏はやはり素晴らしく、さすがだなぁ、という感じです。夫のミロスラフ・クルティシェフさんのピアノもヴァイオリンの音とちょうど良いバランスで演奏されていて、とても息の合った演奏でした。
本編が終わってアンコールの前に神尾真由子さんのMCがありました。
静かに聴いていただいてありがとうございます、音一つしなかったですね、弾いている私たちもうれしかったです、隣にいるのは実は夫なんです(会場拍手)、東京のリサイタルとかは今回ポスターに夫婦10周年記念リサイタルとか書かれちゃっていて恥ずかしくって、恥ずかしくって(会場笑)、今日の公演ではそれは書いてなかったので良かったですが、それはそれでピアノを演奏している人はいったい誰?となっちゃうのも困りますけどねぇ、今日のプログラムのベートーヴェンはちょっと固かったので、アンコールはもうすこし柔らかいのをやりますね。もしかしたら2曲やるかも・・・
記憶している限り、こんな内容だった気が。
そしてアンコール。1曲目はゆったりとした曲。一度引っ込んだ後に2曲目。2曲目を演奏する前に「日本語のタイトル、忘れちゃったけど、なんとかの踊りっていう曲をやります~」といって、
この2曲目は超絶技法満載の曲。神尾さん本領発揮です。「神尾真由子、ここにあり」と私には聞こえました(笑)
お客さん全体が神尾さんの演奏のあまりの凄さに圧倒されているのが雰囲気でわかりました。曲が終わると、ものすごい拍手。弾き終わった後、あまりの拍手の多さに神尾さんが逆に圧倒されているように見えたほどです。
どちらの曲もこのアルバムに収録されていますが、生演奏の迫力は凄かったです・・・。
神尾真由子 愛のあいさつ&夢のあとに〜神尾真由子 ヴァイオリン・アンコール
超絶技法の一端は、NHK・Eテレの「クラシックTV」でも披露されてましたね。
NHK(Eテレ) クラシックTV
「熱狂!ヴィルトゥオーゾの世界」(2023/11/23日放送)
神尾真由子&クルティシェフ 終演!
チャイコフスキー・コンクールを制した二人による黄金のベートーヴェン!
《クロイツェル》の手に汗にぎる熱演に大きな拍手が贈られました。
アンコールは、エルガー:愛の挨拶、バッツィーニ:妖精の踊り でした。
ご結婚10周年おめでとうございます🎉 pic.twitter.com/3DDQVuVH3a— 所沢市民文化センター ミューズ (@Tokorozawa_MUSE) November 18, 2023
そして演奏後にはサイン会がありました。先日のルネこだいらでの小林愛実さんのリサイタルでもそうでしたが、コロナの制限が解除されてサイン会が普通に行われるようになっているのを感じます。
サイン会は「流れ作業方式」(^^)だったので、サインだけサラッと頂いて会場を後にしました。購入したのは因縁(笑)のチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35」が入っているCDです。最近になって発売されていたんですね。CDの盤面ではなく、ジャケットにサインしていただきました。
神尾真由子 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲&プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番
CDを聞いて約15年前の感動が蘇りました \(^o^)/