アリス=紗良・オット ピアノリサイタル
2022/5/29(日)13:15 開場、14:00 開演
所沢市民文化センター ミューズ アークホール
ECHOES OF LIFE(エコーズ・オヴ・ライフ)
- フランチェスコ・トリスター
- イン・ザ・ビギニング・ワズ
- フレデリック・ショパン
- 24の前奏曲 作品28 op.18 第1番~第4番
- ジェルジュ・リゲティ
- インファント・レべリオン
- フレデリック・ショパン
- 24の前奏曲 作品28 op.18 第5番~第9番
- ニーノ・ロータ
- ウェン・ザ・グラス・ワズ・グリーナー
- フレデリック・ショパン
- 24の前奏曲 作品28 op.18 第10番~第15番
- チリー・ゴンザレス
- ノー・ロードマップ・トゥ・アダルトフッド
- フレデリック・ショパン
- 24の前奏曲 作品28 op.18 第16番~第18番
- 武満 徹
- アイデンティティ
- フレデリック・ショパン
- 24の前奏曲 作品28 op.18 第19番~第20番
- アルヴォ・ぺルト
- ア・パス・トゥ・ウェア
- フレデリック・ショパン
- 24の前奏曲 作品28 op.18 第21番~第24番
- アリス=紗良・オット
- ララバイ・トゥ・エターニティ
- エリック・サティ
- グノシエンヌ1番
アンコール
アリス=紗良・オットさんのピアノリサイタルを所沢のミューズに見に行ってきました。お名前だけは以前からは知っていましたが、実際に演奏を見るのは初めてです。
今回の公演は、ショパンの24の前奏曲の途中に現代音楽を挟んで全曲を通すという独創的なものでした。ショパンの24の前奏曲は、先日ブログにも書いた小林愛美さんのピアノリサイタルで一度聞いていることもあり、はたしてどうなるんだろう、と興味津々でした。
ステージに登場したアリス=紗良・オットさん。演奏の前にご本人からこのプロジェクトの背景について丁寧な説明がありました。いきなり日本語で話し始めたのでビックリ。お名前の中に日本語はあるもののドイツの方なので日本語は話さないのではないかと勝手に思っていた私が無知でした・・・。所沢は2016年以来で久しぶり。明日の公演(サントリーホールの公演)が終わったらすぐ帰ってしまうので、もう少し美味しいものを食べておけば良かった、と話されていました。
24の前奏曲の途中に現代音楽がところどころ挟まるという感覚は実際に聞いてみて納得しました。ショパンの前奏曲の流れの中にスポっと現代音楽を入れてもあまり違和感がないんですよね。現代音楽が空間を埋めている感じ、といえば良いのでしょうか。
背景に映し出されるギリシャの建築家ハカン・デミレルさんの映像も特に何かを主張するわけでもなく、音楽に合わせてギリシャ建築を思わせる空間や図書館の本棚のようなものがただただゆっくり動いています。時間がゆっくり流れていきます。
所沢ミューズは音響が素晴らしいので、小さな音や繊細な音も良く響きます。現代音楽パートを演奏しているとき、音の響きがより鮮明に感じます。(全くの主観ですが)アリス=紗良・オットさんは現代音楽に向いている人なのではないかな、と思いました。もちろん名だたるクラシック演奏家ではあるのですが、現代音楽の曲を弾いているときの方がより輝いてみえます。アンコールのサティの演奏もとても美しかったです。
ご本人もステージ上でおっしゃっていましたが、古典と現代音楽を同じレベルで扱うという試みが今後も拡がっていくといいな、と私も思いました。
直筆サイン入りポストカード付きの「エコーズ・オヴ・ライフ」のCD販売があったので、迷わず購入しました。もう一度CDを聞いて余韻を楽しもうと思います。
Echoes Of Life エコーズ・オヴ・ライフ (初回限定盤)(UHQCD/MQA)(DVD付)
追記:NHK-BSでこのコンサートツアーのドキュメンタリーが放送されました。
「ピアニスト アリス=紗良・オット 人生の小さな瞬間を集めて」