祝日を含む休日を利用して、大塚国際美術館の見学を含むパッケージツアーに参加してきました。
大塚国際美術館は場所がちょっと特殊なところにある関係で飛行機の手配などが大変そうだったので、旅行会社のパッケージツアーに頼ってしまいました。パッケージツアーの1人参加はちょっと勇気が要りますが、気合いで乗り切りました(笑)。
大塚国際美術館は、ご存じの通り、陶板を使った複製画の美術館です。本物を展示しているわけではないので「まぁ行かなくてもいいんだけど、なんかちょっと気になるなぁ」という、微妙な場所なんですよね。
どんな人が来ているのかと観察すると、まさに老若男女さまざま。特に目立つのが学校の課外学習で来ている生徒さんたち。キャッキャと話しながらグループで移動する姿は微笑ましかったです。陶板絵画とはいえ結構リアルなので、世界の名画を体験するには良い場所なのかもしれません。観光ついでで立ち寄っただけの特に美術に興味がない人でも、かなり楽しめると思います。
さて、私はどういうモチベーションで見ようかな?と思いながら見ていたのですが、なんだかんだ写真を撮りまくってました(笑)。複製なのに・・・。(^^;)
絵画に近寄ると陶板のツルツルさとか陶板の継ぎ目が見えてしまってちょっと興ざめなのですが、遠目で見ると、ほぼほぼ本物っぽく見えます。ですので、絵は必ず遠目に見ることにして(^^)、世界の美術館にいる妄想に浸っていました。
これから行く予定がある人向けにアドバイスらしきものを書いておきます。まず、注意点ですが、
- 前もって見るものを決めておく
とにかく展示スペースが広いので、ただ歩いているだけで時間が過ぎていきます。何階に何が展示されているか、見ないでもよさそうなものは何か、など前もって調べておいた方が賢いです。展示作品リストはこちらです。
- 自分がどこにいるかを常に確認する
ぼーっと歩いていると自分がどこにいるのかわからなくなります。館内マップと館内に掲示されている地図を常に確認するようにした方が良いです。各階との間はエスカレーターとエレベータで移動しますが、その場所さえわからなくなるほど広いです。
- 食べ物の持ち込みは基本不可
作品の周りには絵画鑑賞のためのベンチがありますが、それ以外は館内にベンチがほとんどありません。ただ1Fの屋外に庭園があるので、そこでは食べても良いそうです(雨のときは厳しいですが・・・)。
以下、私の独自視点による各階別の説明です。(私と同じ趣向の人は役に立つかも)
目次
B3F(古代・中世)
順路に従うと、この階を全部見てからB2Fに向かう流れになっていますが、個人的に古代・中世に親しみがあまりないので、最後に余った時間で鑑賞することにしました。大きい建造物系の展示が多いので、どれも迫力があります。エル・グレコの作品はこの階にあります。
ジョット/「スクロヴェーニ礼拝堂壁」
(スクロヴェーニ礼拝堂、パドヴァ、イタリア)
エル・グレコ/「三位一体」「聖アンデレと聖フランチェスコ」
(プラド美術館、マドリード、スペイン)
B2F(ルネサンス・バロック)
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」(修復前と修復後)と「モナリザ」、スペインのプラド美術館のベラスケスの作品、レンブラントの「夜警」、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」あたりは必須でしょうか。個人的にはプラド美術館に行ったときに鑑賞した、ボス・ヒエロニムスの「快楽の園」をまた見ることができて嬉しかったです。
ボス・ヒエロニムス/「快楽の園」
(プラド美術館、マドリード、スペイン)
ディエゴ・ベラスケス/
「ディエーゴラス・メニーナス(女官たち) 」
「皇太子バルタサール・カルロス騎馬像」
(プラド美術館、マドリード、スペイン)
B1F(バロック・近代)
印象派が好きな人はこの階がメインでしょう。名作だらけです(当たり前)。本来は別の美術館で展示されている作品が隣り合って展示されていたりして面白いです。見ていて気づいたのは、フランスのオルセー美術館の作品がやたら多いこと。やっぱり名画はオルセー美術館にあるんだ、と再認識しました。ここ数年に日本に来た作品もちらほらあって「これは本物を見たことがあるぞ!」とちょっと優越感に浸ってました(笑)。
ピエール=オーギュスト・ルノワール/
「ブージヴァルのダンス」(ボストン美術館、ボストン、アメリカ)
「都会のダンス」(オルセー美術館、パリ、フランス)
「田舎のダンス」(オルセー美術館、パリ、フランス)
1F(現代・テーマ展示)
このフロアーには原寸大のパブロ・ピカソの「ゲルニカ」がありますが、それ以外はあまりこれといって注目する作品はなかったような・・・。やっと一休みできる感じです。屋外の庭園もありますし。
パブロ・ピカソ/「ゲルニカ」
(ソフィア王妃芸術センター、マドリード、スペイン)
2F(現代・テーマ展示)
パブロ・ピカソ、モディリアーニ、シャガールなどの現代の作品はこの階にあります。現代の作品はあんまり見入ることはないので、時間をかけずに鑑賞しました。あとはテーマ別の企画展示がありますが、ここもサラサラっと見終えました。
パブロ・ピカソ/「マンドリンとギター」
(グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、アメリカ)
マルク・シャガール/「イカロスの墜落」「彼女をめぐりて」
(ポンピドゥー・センター、パリ、フランス)
ということで、私はB2F(ルネサンス・バロック)とB1F(バロック・近代)に時間を多く費やしました。1F(現代・テーマ展示と2F(現代・テーマ展示)は、そんなに時間をかけませんでした。B3Fは写真撮影スポット的な場所の印象です。
図録(1320円)は買うべきか買わざるべきか悩みましたが、薄くて持ち運びに問題がなさそうだったので、とりあえず買っておきました(Amazonでも購入可)。
大塚国際美術館 図録100選
図録には館内のハイライト的な作品が掲載されています。展示されている全部の作品が収録されているわけではないので、お気に入りの作品は自分で撮影しておいた方がよいです。