「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」に行ってきました。
東京の初台にあるNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)に来たのは、2017/2018年の「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」以来です。
坂本龍一さん(以下、教授)は私にとって特別な存在でファン歴は30年以上になります。教授に関してはこのブログで「ZERO LANDMINE」について書いたことがあります。
どちらかというと文系気質の私が理系ど真ん中のソフトウェアエンジニアになったのは、教授や同じく2023年に亡くなった高橋幸宏さんの影響がとても大きいです。常に新しいことを追求する姿勢は今の自分を作ってくれていると感じています。
熱烈なファンだった私は30年程前に教授にファンレターならぬファンメールを送ったことがあります。当時は教授宛にメッセージが届くメールアドレスがあって、そこにファンメールを送りました。すると返信が戻ってきたんです。
はい。がんばります。
メイルありがとう。
さかもと
この返信を受け取った時は「事務所の人が代わりに返信しているんじゃないの?」などと疑っていたのですが、死去時の関係者の追悼コメントを聞くと「返信がマメで素早かった」という証言がたくさんあって、最近になって「あれは本人だったんだ」と確信できるようになりました。ちゃんと私の文章を切り取ってリプライしてくれているだけでとても嬉しかったです。
コンサートもかなりの数、行きました。一番近くで教授の演奏を見たのはアルバム「BTTB」発売直後に行われたイベントでした。そのときの記録をこちらにアップしました。
坂本龍一 SKMTPBTTBMPD98 水・聴覚・バッハ モーダ・ポリティカ 1998/12/13
私が最近になって美術や現代音楽に興味が湧いているのは、元をたどると教授の影響が大きい気がしています。教授は音楽とアートどちらにも意欲的でした。そんな教授を見ながら多感な時期を過ごした私はやはりかなり影響を受けているんだと思います。
今回の展示会ははっきり言ってしまうと、出し物としてはあまり面白くはないです。ファンが教授を偲ぶための展覧会という感じです。
音とアートの融合を追求した数々の試みはどれも斬新でした。このピアノはワイヤーで繋がったセンサーが感知した信号を受けて音が出ます。
毛利悠子「そよぎ またはエコー」(2017/2023年)
教授の最後のアルバム「12」のジャケット画と李禹煥氏のオリジナル作品
李禹煥「遥かなるサウンド」(2022年)
李禹煥「祈り」(2022年)
Dumb Type + Ryuichi Sakamoto「Playback 2022」(2022/23年)
ダムタイプの展示はアーティゾン美術館の一つ前の投稿「アートを楽しむ」
で同時開催だった「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap」でも展示されていました。