名古屋市美術館の「福田美蘭―美術って、なに?」を見に行ってきました。
福田美蘭さんの作品は練馬区立美術館の「日本の中のマネ」の展示で初めて見て、面白いなぁと思っていました。
ただ今回は福田さん目当てで名古屋に行ったわけではなく、名古屋に行ったらたまたま福田さんの展覧会を見つけてしまった、という偶然の出会いです。展覧会の場所は名古屋市美術館です。
地下鉄の栄駅から歩いて15分ぐらい。地図を見ると近そうに見えるのですが、まぁまぁ歩きます。
名古屋市美術館は駅からあまり近いわけでもないのに、会場はかなり混んでいました。人気がありますね~。ほとんどの作品は写真撮影可だったので、多くの人があちこちで写真を撮っていました。
練馬区立美術館で見たときにも思いましたが、福田美蘭の作品は本当に個性的です。ちょっとクスっとする日常風景から政治のパロディまで、作風をひとくくりできない魅力があります。
今回の展覧会が面白かったのは「こういう理由でこの作品を作りました」という本人のコメントが書いてあるところです。現役の美術家ならではの工夫ですね。(図録(2200円/会場のみ数量限定販売)にも同じ内容が掲載されています)
私が面白いなぁと思った作品をいくつか。(出品作品リスト)
(本物の)山梨県立美術館のミレー「種をまく人」の右手の向きがおかしいでしょう、と正しい角度に直した作品(笑)。福田さんの作品の所蔵も山梨県立美術館になっているのが粋です。
ミレー“種をまく人” (2002年) 山梨県立美術館
黒田清輝の湖畔(本物は左下部分のみ)の周りの背景を想像して足した作品。違和感ないです・・・。
湖畔 (1993年) 埼玉県立近代美術館
大原美術館が怪しいゴッホの作品を掴まされた事で話題になったあの作品をさらにゴッホらしくなるように書き換えた作品。確かに書き直した方がゴッホっぽいです。福田さんの作品も大原美術館が所有しているんですね(笑)
参考出品:伝フィンセント・ファン・ゴッホ《アルピーユの道》大原美術館
ゴッホをもっとゴッホらしくするには (2002年) 大原美術館
練馬区立美術館でも見た作品。「日本の中のマネ」の展覧会の時は個人蔵と書いてありましたが、練馬区立美術館所蔵になったんですね。
ゼレンスキー大統領 (2022年) 練馬区立美術館
展覧会のオリジナルグッズは面白いものがたくさんありましたが、私は本人のサイン入りの「新聞版画」を購入しました。「新聞版画」とは、新聞による印刷を「版画」とみなして発行部数の「版画」が刷られているというみなす考え方。面白いですねぇ。今回は4種類の「新聞版画」は販売されるとあったのですが、公式の投稿を見ると、
🌟グッズ紹介🌟
手触りとサイズ感にもこだわった図録が大人気!会場で気になった作品の解説をじっくり読んでいただけます🕵🏻♀️また、福田美蘭制作の『新聞版画』も必見です🔍
新聞に掲載された作品の図版を作家自らが切り取り「版画」として加工。直筆サイン入りで数量限定ですので、お見逃しなく!🤭 pic.twitter.com/7gcwh9Sykx— 特別展「福田美蘭ー美術って、なに?」【担当者のつぶやき】 (@ncam_chunichi) October 9, 2023
「中日新聞2023年7月11日」と「見返り美人 鏡面群像図」が販売されている様子がありますが、私が行ったときは「ゼレンスキー大統領」と「ポーズの途中に休憩するモデル」が置かれていました。私は「ポーズの途中に休憩するモデル」の方を購入しました(1100円)。発行部数/エディション番号と直筆のサインが書かれていますね。新聞の発行部数数もすごいですが、エディション分の新聞を切り抜くのも大変そう。新聞を本人が切り抜いているらしいという記事をどこかで見た気が・・・。
企画展は1Fと2Fですが、常設展示は地下1Fにあります。常設展示は撮影不可でしたが、気になった作品を挙げておきます。常設展示の図録は全収蔵品が収められている分厚い白黒画像のものしかないということだったので、今回購入はしませんでした。
名品コレクション展Ⅱ(後期)(作品リスト)
- キース・ヴァン・ドンゲン
- コルセットの女 (1908年)
- アメデオ・モディリアーニ
- 立てる裸婦(カリアティードのための習作) (1911-12年)
- おさげ髪の少女 (1918年)
- マルク・シャガール
- 二重肖像 (1924年)
- ハイム・スーチン
- セレの風景 (1922年)
- モーリス・ユトリロ
- ノルヴァン通り (1910年)
- ラパン・アジール (1913年)
- 三岸節子
- プチカナル (1973年)
- 藤田嗣治
- 風景 (1918年)
- 二人の祈り (1952年)
- フランク・ステラ
- 説教 (1990年)