映画「画家ボナール ピエールとマルト」を東京のシネスイッチ銀座で見てきました。
美術館で見るボナールの作品は顔がぼやけた不安げな女性ばっかりだなぁ、といつも思っていましたが、その多くはタイトルにもなっているマルトという女性だったとは知りませんでした。
この映画を見ようと思ったきっかけは、映画.comに掲載されていたマルタン・プロボ監督と主演ボナール役のマケーニュのインタビュー記事でした
映画.com:マルタン・プロボ監督&バンサン・マケーニュが語る、有名画家とその妻の知られざる物語
映画の内容はフィクションだそうですが「だいたいこういうことだった」ということなんでしょうね。実際に起きた事実はちゃんと描かれているみたいです
この映画を見た感想としては、ボナールはダメ男だなぁ、ということでしょうかね(笑)
この投稿の前の津上みゆきさんの個展の投稿でも書きましたが、アーティストとして一流である人は、普通の人とは異なる資質を持っているんだろうなぁ、ということに尽きる気がしています
ボナールに画の才能があることは疑いがないことなんでしょうが、女性に対する情熱が一般的な感覚とは違うらしく、世間的には好きな女性1人と結婚するのが正しいというところを、ボナールは自分の感情のおもむくままに女性を好きになり、しばらく経つとまた別の女性を本気で好きになってしまうようです。またその女性への情熱が画の方に良い影響を与えている、という人生なんだろうなと感じました
ボナールの好きという気持ちに嘘がないところが「くせもの」なんですよね・・・
もう一方のマルトはマルトでまた別の事情を抱えていて、彼女が考えている事の方が観客は共感しやすいんじゃないかと思いました。ストーリーで語られるマルトは実は画の才能があったという下りはかなり意外な展開でした
映画を最後まで見て思ったのは、人生って悲しいな、ということでした。人生中には楽しいことも辛いこともあるけど、最後はどう終えるのか、どう終わるのか、のひとつの形を見せてもらった気がしました。ボナールの画のことを知らなくても、人の生き方のサンプルを見るつもりで観てみるのも良いと思います。
話は変わりますが、私は映画館に行くとパンフレットを購入することにしているんですよね。これは昔からの私の習わし(笑)なのですが、今回も購入しました(800円)
買う方からすると「今どきパンフレットなんて要る?」と思われるかもしれませんが、パンフレットにはwebでは得られない情報が書かれていて「お宝もの」なんです。映画の上映中しか購入できないので、上映が終了すると手に入らなくなります
それ以前に、配給側がこのような小作品のためにパンフレットを発行してくれるってすごくないですか? 表紙の右上を見ると、パンフレットを発行しているのはシネスイッチみたいです。シネスイッチ、えらい!
中身もかなりコアな内容で、
目次を見ると、日本語字幕が全部収められていたりします(それは要らない気がする 笑)
日本語字幕はさておき(笑)、専門家の解説記事は面白かったです (^^)